免疫抑制剤と抗サイトカイン薬の情報メモ

若年性関節リウマチ(JRA,別名・若年性特発性関節炎=JIA)の多関節型・少関節型の治療に使われる免疫抑制剤と抗サイトカイン薬について,手持ちの資料を基に,関心のある情報を簡潔にまとめてみた:
参照元:
(a) あすなろ会(公式ウェブサイトはここ)発行のJRAに関する小冊子「こどもの関節リウマチのおはなし」(入手方法はここ参照)
(b) 医学誌「最新医学」2007年5月号(以前のエントリ参照.同誌ウェブサイトのこの号のページはここ

1.免疫抑制剤メトトレキサート(メソトレキサートとの表記もあり)

商品名は錠剤がメトトレキサート錠,カプセルがリウマトレックス(上の(a)参照).

JRAの場合,週1~2回,計2.5~7.5mgを内服.欧米では日本の約2倍量を使用(上の(a)参照).小児では10mg/m2/週(約0.3mg/kg)の内服が最適(上の(b)参照).

滑膜炎の抑制作用が著しい.関節型(多関節型・少関節型)では約70%に効果.主要施設へのアンケート調査によると,約73%の例がメトトレキサート併用療法により寛解に入り,その継続使用は1~3年が46%,3年以上が32%(上の(b)参照).

副作用として,内服した夕方から翌日にかけて10~15%の子供に気持ち悪さやむかつきが出ることがある.時に肝機能障害もある(上の(a)参照).主たる副作用として,骨髄抑制,肝線維症,肺線維症が挙げられるが,肝線維症は週ごとの投与方法では認められない(上の(b)参照).

2.抗サイトカイン薬

抗サイトカイン薬のうち、多関節型・少関節型に使用するのはTNFα遮断薬.TNFα遮断薬には次の2つがある:

(ア)エタネルセプト(エタナセプトとの表記もあり.商品名はエンブレル)
腫瘍壊死因子(TNF)を中和するTNF受容体(上の(a)参照).週2回の皮下注射を繰り返す.小児での投与量は1回0.4mg/kg(最大25mg)で,週2回投与(上の(b)参照).

(イ)インフリキシマブ(インフレキシマブとの表記もあり.商品名はレミケード)
抗TNF抗体(上の(a)参照).1回量3mg/kgを初回投与後,2週後,6週後,以降は8週ごとに点滴静注で投与.製剤に対する抗体産生を抑制するため,メトトレキサートの併用が必須(上の(b)参照).

(ア)(イ)のようなTNFα遮断薬は,メトトレキサート不応の難治例の90%以上に有効性を示す(上の(b)参照).

ただ,結核症例の増加,心不全の回復の阻害,易感染傾向など,幾つかの点で安易に使用してはならない薬剤でもある(上の(b)参照).

3.要点
  • メトトレキサートはJRAの関節型(多関節型・少関節型)の約70%に効果がある.

  • メトトレキサートの効果がない場合,TNFα遮断薬が90%以上に有効.

  • TNFα遮断薬は結核症例の増加,易感染傾向など,幾つかの点で安易に使用してはならない薬剤でもある.

| 若年性関節リウマチ(JRA)::リソース/リンク | 0:01 | comments (0) | trackback (0) | permalink |

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