2006.03.05 (Sunday)
"Psychocandy" Revisited
"Psychocandy" はイギリスのロックバンド,the Jesus and Mary Chain(現在は解散.以下ジザメリ)の1985年のデビューアルバム.
アルバム収録曲の大部分は,大音量のギターのフィードバックノイズというアバンギャルドな表層に覆われてる.それが主な理由となってこのアルバムは衝撃的と評され,今でもロックの新境地を切り開いた作品として高い評価を得ている.
うつむいて足元に視線を向けながら轟音ノイズギターをかき鳴らす90年代初めからの「シューゲイザー」ムーブメントについても,その原点をジザメリに求める意見があるし,それは当然のことだろうと思う.
自分にとってもジザメリの音楽の衝撃は強かった.ついでに言うと,友達に彼らの曲を聴かせて,スピーカーが壊れてるんじゃないかと言われた時の痛快感もよく覚えてる.どうでもいいことだけど.
ただ,ジザメリの音楽については,ノイズそのものが高く評価されてるわけじゃないと思う.画期的な点はむしろ,アバンギャルドなノイズとポップなメロディーの絶妙な組み合わせにあった.そうした両極端の組み合わせこそが,初期のものをはじめとする彼らの音楽の大きな特徴であり,魅力的な点でもある.
彼らの音楽の土台はコンベンショナルな3コードロックであり,楽曲の中にはビーチボーイズやビートルズを彷彿とさせる黄金のポップメロディーが埋め込まれてる.だからこそ,ノイズまみれでも多くの人が聴いて受け入れることができたんだろう.
そして「両極端の組み合わせ」というキーワードで読み解けば,彼らの音楽は例えば▽激しいノイズと甘いメロディー▽前衛的な表層と伝統的なロックのフォーマット▽明るくドリーミーな旋律とダークで現実主義的な歌詞──の組み合わせであることが浮かび上がる.その組み合わせの魅力も,彼らの音楽に触れれば自ずと分かる.
"Psychocandy" はそうした彼らの音楽の原点.轟音に覆われた勢いのある曲だけでなく,メロディーを前面に出した静かめの曲も収録されていて,その対比もまた1つの両極端の組み合わせとして楽しめる.
このアルバムではドラムスをPrimal ScreamのBobby Gillespieが務めてるのも1つの話題.
正直に言うと,その後の作品に比べ,かなり荒削りな感じはする.また,激しい曲の中でさえボーカルは無表情・無感動で,うつむいてるような印象を強く受ける(それがこの時期の特徴であり,人によっては1つの魅力でもあるかもしれないけど).それでも一聴の価値がある作品であることは間違いない.
アルバム収録曲の大部分は,大音量のギターのフィードバックノイズというアバンギャルドな表層に覆われてる.それが主な理由となってこのアルバムは衝撃的と評され,今でもロックの新境地を切り開いた作品として高い評価を得ている.
うつむいて足元に視線を向けながら轟音ノイズギターをかき鳴らす90年代初めからの「シューゲイザー」ムーブメントについても,その原点をジザメリに求める意見があるし,それは当然のことだろうと思う.
自分にとってもジザメリの音楽の衝撃は強かった.ついでに言うと,友達に彼らの曲を聴かせて,スピーカーが壊れてるんじゃないかと言われた時の痛快感もよく覚えてる.どうでもいいことだけど.
ただ,ジザメリの音楽については,ノイズそのものが高く評価されてるわけじゃないと思う.画期的な点はむしろ,アバンギャルドなノイズとポップなメロディーの絶妙な組み合わせにあった.そうした両極端の組み合わせこそが,初期のものをはじめとする彼らの音楽の大きな特徴であり,魅力的な点でもある.
彼らの音楽の土台はコンベンショナルな3コードロックであり,楽曲の中にはビーチボーイズやビートルズを彷彿とさせる黄金のポップメロディーが埋め込まれてる.だからこそ,ノイズまみれでも多くの人が聴いて受け入れることができたんだろう.
そして「両極端の組み合わせ」というキーワードで読み解けば,彼らの音楽は例えば▽激しいノイズと甘いメロディー▽前衛的な表層と伝統的なロックのフォーマット▽明るくドリーミーな旋律とダークで現実主義的な歌詞──の組み合わせであることが浮かび上がる.その組み合わせの魅力も,彼らの音楽に触れれば自ずと分かる.
"Psychocandy" はそうした彼らの音楽の原点.轟音に覆われた勢いのある曲だけでなく,メロディーを前面に出した静かめの曲も収録されていて,その対比もまた1つの両極端の組み合わせとして楽しめる.
このアルバムではドラムスをPrimal ScreamのBobby Gillespieが務めてるのも1つの話題.
正直に言うと,その後の作品に比べ,かなり荒削りな感じはする.また,激しい曲の中でさえボーカルは無表情・無感動で,うつむいてるような印象を強く受ける(それがこの時期の特徴であり,人によっては1つの魅力でもあるかもしれないけど).それでも一聴の価値がある作品であることは間違いない.
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