ジザメリの Automatic 豪華再発盤もコアなファン向け

The Jesus and Mary Chain(以下ジザメリ)のアルバム全6作の豪華再発盤が9月から10月にかけて,英 Demon Music Group 傘下の Edsel Records からリリースされ,私も早速購入した.今回はそのうち,1989年のアルバム Automatic の豪華再発盤を取り上げる.CD には数曲のライブ音源と既発コンピ未収録のバージョン,DVD にはテレビ出演時のライブ映像が収録されており,Darklands の豪華再発盤(前回のエントリ参照)同様,コアなファンには購入をおすすめできると思う.以下,豪華再発盤の内容と簡単な感想をメモ:

今回リリースされた6作の豪華再発盤はいずれも CD 2枚と DVD 1枚のセットで,充実した内容のブックレットが付いてくる(ジザメリ公式サイトでセットの写真を閲覧可能).CD には各アルバムに加え,シングル曲とB面曲,さらにアルバムによってデモ音源,BBC の John Peel Sessions 音源,ライブ音源,ラジオでのインタビューなどが収録されている.DVD には各アルバムが発表された時期のほぼ全ての PV と TV 出演時の映像などが収められている.

Automatic の豪華再発盤の CD は2006年にリマスターされたアルバム本体のほか,シングル Sidewalking の収録曲5曲,レア曲集の Barbed Wire Kisses や Sound of Speed, The Power of Negative Thinking にも入っていた B面曲を収録(Just Out of Reach の "88 version" が収録曲一覧にあるけど,これは Barbed Wire Kisses の収録曲と同じバージョン).

このうちシングル Sidewalking からは,以前のコンピレーションには収録されていなかった "Chilled To The Bone Mix" と,Taste of Cindy および April Skies のライブ音源が今回の豪華再発盤に収められている.

このほか,John Peel Sessions 音源,88年に当時の英音楽誌 Sounds の付録レコードに収録されていた Nine Million Rainy Days のライブ音源,米ロサンゼルスのラジオで流されたジザメリのライブの広告も収録されている.

ライブ音源は Taste of Cindy も含めてノイジーなところはなく,何て言うか真っ当なポップロックという感じで,アメリカ市場を狙った時期だったことを感じ取れるかもしれない.他方,John Peel Sessions 音源は今回あらためて聴いてみて,Coast to Coast とか Far Gone And Out の最終バージョンの完成度の高さが却って際立つように感じた.ファンにとっては興味深いのではないかなと思う.

DVD には PV (Jim Reid が監督役を務めた Just Out of Reach の PV も含む) のほか,テレビ番組 Snub TV での Gimme Hell と Take It の口パクでないライブ演奏の映像,BBC や MTV でのインタビューの模様が収録されている.ライブ映像は良かった.

ブックレットは Jim Reid, Douglas Hart, Ben Lurie へのインタビューで構成されている.Psychocandy や Darklands の豪華再発盤のブックレットに比べるとインパクトはやや弱いかもしれないけど,アメリカで成功しなければならないというプレッシャーの下で行われた長期間に及ぶツアーの話などはファンにはおもしろい読み物じゃないかな.

結論としては,Automatic の豪華再発盤もコアなファンには楽しめるセットだろうと思う.

以前の関連エントリ:
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| 音楽::ジザメリ::info | 11:39 | comments (0) | trackback (0) | permalink |

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