Ringo Deathstarrデビュー作,ジザメリ・マイブラ色が濃厚

アメリカのバンド,Ringo Deathstarr(リンゴ・デススター)のデビューアルバム "Sparkler" (2009年) を最近になって購入した.ノイズポップ/シューゲイザーを好きな人に広くおすすめできる良い作品だと思う.以下,簡単に感想などをメモ.

Ringo Deathstarrの音楽は一部で,The Jesus and Mary Chain(以下ジザメリ)の "Psychocandy" とMy Bloody Valentine(以下マイブラ)の "Loveless" を合わせたようなものと評されている.その評はかなり的確だと思う.

実際,1曲目の "Swirly" はまるで "Loveless" から抜き出されてきたかのようだし,3曲目 "Some Kind of Sad" は初期ジザメリを思わせるシンプルでノイジーでポップな曲.6曲目 "In Love" と8曲目 "Rats Live on No Evil Star" は中期ジザメリをそのまま持ってきたようなキャッチーかつノイジーな曲になっている.

ジザメリやマイブラのファンには,Ringo DeathstarrのMySpace(ここ参照)で是非これらの曲を試聴してみてほしい.

さらに,アルバム全体を聴くと,ジザメリとマイブラからの影響にとどまらない要素も多く,それがまた良い.2曲目の "Starrsha" ではRideのように疾走する曲にジザメリのようなボーカルが乗る.5曲目の "Sweet Girl" は1990年代初め頃のSonic Youthを思い起こさせる.あと,4曲目の "Down on You" や7曲目の "Summertime" はAsobi Seksuと相通じるものがあるように感じた.これらの曲もポップでなじみやすい.

ただ,それぞれの曲にこういう先行アーティストとの共通点というかそっくりな点があり,ボーカルの歌い方まで含めてそのアーティストになりきっているようなきらいがある(なりきりの対象は曲ごとに異なる).それに,新しい刺激を求める人にとっては物足りないかもしれない.

それでも,以前からのノイズポップ/シューゲイザーのファンは安心して楽しめるかもしれない.個人的には,こんななじみのある音楽が新人バンドの今の音として鳴っているだけで感激したし,最近数カ月に聴いた中では他の人に一番おすすめできるアルバムかなと思った.

Ringo Deathstarr公式サイト: www.ringodeathstarr.com
Ringo DeathstarrのMySpace: www.myspace.com/ringodeathstarr

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