若年性関節リウマチ(JRA)─多関節型と少関節型についてのメモ

若年性関節リウマチ(JRA)の多関節型と少関節型の違いについて以下,幾つかのソースよりメモ.

1.東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センターで小児のリウマチを担当している藤川敏医師の話(99年7月2日の週刊朝日記事を「石垣通信」様が転載したもの)

 多関節型…朝のこわばりや関節の痛み、腫れなどが、最初は、とくに手・指関節などに見られることが多い
 少関節型…小児特有の型で、四ヵ所以下の関節だけに限定して発症する。膝や足首に症状が出ることが多い。虹彩炎を起こすことも

2.万有製薬のメルクマニュアル医学百科家庭版(オンライン版)の情報

 多関節型…多関節型では、5カ所以上の関節(時に20〜40カ所)が炎症を起こします。両方の膝、両方の股関節など、体の両側の同じ関節に発症します
 少関節型…少数関節型では、通常、足に発症します。膝(ひざ)の関節で最初に発症し、股関節(こかんせつ)や肩では発症しません
 その他……若年性関節リウマチの症状は、大部分の子供で完全に消失します。少数関節型の子供の半数、多関節型や全身型の子供でも約4分の1以上は完治します。

3.(株)三和化学研究所の「SKKヘルスドットネット」の情報(監修:大阪大学医学部整形外科の越智隆弘教授と東京大学医学部アレルギーリウマチ内科の山本一彦教授、編集:杏林大学の渡辺言夫名誉教授)

 多関節型…成人の慢性関節リウマチと同様に、多くの関節が腫れて痛みます。スチル病のように激しい発熱や発疹は認められませんが、関節症状は重く、破壊が起こりやすく、身体障害を残しやすいです。
 少関節型…おかされる関節は多関節型よりも少なく4関節以下と定義されています。また、虹彩炎が高率にみられることと、血液検査で抗核抗体という特殊な抗体がみられます。この病型のものが若年性関節リウマチと同一疾患か否か意見が分かれています。

4.gooが提供する「ビッグ・ドクター 最新版 家庭医学大全科」(法研・刊)の情報(新潟大学医学部小児科の樋浦誠氏執筆)

 多関節型…成人の関節リウマチに似た経過をたどります。指などの小さな関節を含めて、5カ所以上の関節に炎症がみられます。左右で同じ関節が侵されることが多く、発熱は微熱程度です。
 少関節型…関節炎は4カ所以下です。膝(ひざ)や足などの大きな関節が侵されることが多く、4~5歳の女児に多い傾向があります。関節炎は他の型に比べると軽く、多くは数年でよくなります。わからないうちに虹彩炎という眼の病気を合併することがあるので、眼科の定期受診が必要です。

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