エンブレルなどの安全性めぐる新情報

若年性関節リウマチ(JRA,別名・若年性特発性関節炎=JIA)の治療にも使われる生物学的製剤(抗サイトカイン薬)のうち,「TNF阻害薬」であるインフリキシマブ(商品名レミケード),エタネルセプト(商品名エンブレル),アダリムマブ(商品名ヒュミラ)など5種類について「小児,青少年が2年半使用した場合に悪性腫瘍(がん)の発症リスクが上昇する」との情報が出ている.米食品医薬品局(FDA)が製薬会社に警告を指示したとのこと.以下,簡単にメモを残しておく.

まず,関連のソースを幾つか挙げる.
日本小児リウマチ学会ウェブサイトにある関連情報(09年8月17日付):
小児リウマチ学会ニュースレター第5報
共同通信の報道(09年8月4日付):
新関節リウマチ薬にがんリスク FDA、注意書きで警告を指示
FDAの医療関係者向け情報(09年8月4日付・英文):
Information for Healthcare Professionals: Tumor Necrosis Factor (TNF) Blockers (marketed as Remicade, Enbrel, Humira, Cimzia, and Simponi)

FDAが把握している限りでは,これら5種の薬を使用した小児・青少年の中で,これまでに悪性腫瘍の発症者が48人確認されている.発症率(全部で何人のうちの48人なのか)は明らかにされていない.

ただ,5種の薬のうち,エンブレルだけで,これまでに全世界で小児1万3847人が使用しているらしい(PR Newswireの記事=英文=参照).このうち米国内での使用者数が何人なのかは不明だけど,これ以外にレミケードの使用者も結構いるのではないかなと思うし,米国で5種の薬のいずれかを使用している小児・青少年に占める悪性腫瘍発症者の割合は多くても1%を超えないのではないか(もしかしたら0.5%にも満たないのではないか)と想像する.

ただ,それがリスクとして高いのか低いのか,素人の自分にはよく分からない.

以上,メモ.

以前の関連エントリ:
免疫抑制剤と抗サイトカイン薬の情報メモ(07年8月31日)
エタネルセプト問題報道メモ(07年12月10日)
若年性関節リウマチ(JRA)関節型用の生物製剤メモ(08年2月2日)
エンブレル効能に若年性関節リウマチ(JRA)追加(09年7月15日)

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