若年性関節リウマチ(JRA)経過メモ(13年9-10月)

下の子(11歳)の若年性関節リウマチ(JRA,別名・若年性特発性関節炎=JIA)少関節型と関連症状について,大まかな経過と投薬状況を簡単にメモ.

※これまでの経過についてのエントリ:
06年: 7月まで8-10月11-12月
07年: 1-2月3-4月5-6月7-8月9-10月11-12月
08年: 1-2月3-4月5-6月7-8月9-10月11-12月
09年: 1-2月3-4月5-6月7-8月9-10月11-12月
10年: 1-2月3-4月5-6月7-8月9-10月11-12月
11年: 1-2月3-4月5-6月7-8月9-10月11-12月
12年: 1-2月3-6月7-10月11-12月
13年: 1-2月3-4月5-6月7-8月

13年9-10月には虹彩炎(JRA の少関節型で併発することがあり,うちの子は過去7年半にわたり断続的に患っている)への対応のため,JRA の治療薬を生物学的製剤(抗サイトカイン薬)ヒュミラ(一般名アダリムマブ)から生物学的製剤シンポニー(同ゴリムマブ)に切り替えた.シンポニーを使用して虹彩炎から大きく回復したケースがあるのを受けたもの.

JRA 治療薬の切り替えは,免疫抑制剤メトトレキサート(ステロイド剤併用)から生物学的製剤エンブレル(一般名エタネルセプト)への切り替え(2008年10月),エンブレルからヒュミラへの切り替え(10年7月)に続き3回目.シンポニーは大人の関節リウマチ用の薬で,JRA への適応は正式には承認されていない.

一方,虹彩炎の影響なのか両目に出始めていた白内障は,右目の方で急激に進行し,右目がほとんど見えなくなってしまった.11月に手術を受ける.

9-10月の時系列順の経過は次の通り:

▽13年9月2日

 X病院小児科で若年性関節リウマチ(JRA,別名・若年性特発性関節炎=JIA)の定期的診察.要点は次の通り:

 ・JRA発症箇所の右膝をはじめ,関節に痛み,腫れ,熱感はなし.12年12月と13年2月の右膝の状態(弱い痛みと若干の腫れ・熱感)は再発せず.

 ・血液検査では,焦点のMMP-3(関節破壊マーカー)をはじめ,CRP(炎症マーカー),白血球などの関連数値に問題はなし.MMP-3は20.7ng/mLで,4月の20.6ng/mL以来5カ月ぶりの20超えとなったが,基準値の範囲内.

 ・JRAの少関節型で併発することがある虹彩炎がおさまらないため,この時点でJRAの治療薬として使用していた生物学的製剤(抗サイトカイン薬)「ヒュミラ」(一般名アダリムマブ)から,虹彩炎にも大きな効果があった例があると主治医から紹介された大人の関節リウマチ用の生物学的製剤「シンポニー」(一般名ゴリムマブ,公式ウェブサイトはここ)に薬を切り替える問題に関し,W眼科のぶどう膜炎(虹彩炎はぶどう膜炎の一種)専門医から8月末,薬の切り替えについては書面で説明や計画がほしいと言われたことを小児科の主治医に報告.手紙を用意して頂けることに(虹彩炎の説明は以前のエントリ参照).

 ・シンポニーへの切り替えはW眼科のぶどう膜炎専門医の同意を待ってからとすることにし,とりあえずこの週のヒュミラ投与(自宅での皮下注射)は予定通り行うことに.

 ・ヒュミラからシンポニーへの切り替えを見越して今回は薬の処方なし(自宅に2回分以上のヒュミラのストックがあるので).

 ・病院で測ったところ身長は144.3cm,体重は35.5kg.

 ※生物学的製剤(抗サイトカイン薬)については以前のエントリの免疫抑制剤と抗サイトカイン薬の情報メモエタネルセプト問題報道メモ若年性関節リウマチ(JRA)関節型用の生物製剤メモなどを参照.

▽13年9月4日

 生物学的製剤ヒュミラ皮下注射(80回目).

▽13年9月6日

 W眼科を臨時受診.虹彩炎の改善を目指し,生物学的製剤(抗サイトカイン薬)を「ヒュミラ」(一般名アダリムマブ)から「シンポニー」(一般名ゴリムマブ)に切り替えることに関するX病院小児科の若年性関節リウマチ(JRA,別名・若年性特発性関節炎=JIA)主治医からの手紙を,W眼科のぶどう膜炎(虹彩炎はぶどう膜炎の1種)専門医に渡す.

 専門医からは,切り替えを積極的に勧めはしないが,十分な実績のないシンポニーを使用するのは実験のようなものであることを家族が承知の上であれば,小児科の主治医からの手紙も踏まえ,眼科としては生物学的製剤としてその薬を使うことを前提に引き続き対処していく旨,言って頂いた.

▽13年9月6日(上の眼科受診と同日)

 X病院小児科を臨時受診.要点は次の通り:

 ・W眼科のぶどう膜炎専門医の同意を受け,若年性関節リウマチ(JRA,別名・若年性特発性関節炎=JIA)の治療薬を生物学的製剤(抗サイトカイン薬)「ヒュミラ」(一般名アダリムマブ)から生物学的製剤「シンポニー」(一般名ゴリムマブ)に切り替えることを最終決定.
 JRAの少関節型で併発することがある虹彩炎(ぶどう膜炎の一種)にシンポニーで大きな効果があった例があるため,ヒュミラを使っていて関節の状態は良いものの虹彩炎がなかなかおさまらないうちの子にシンポニーを使ってみるというもの.効果がなければヒュミラに戻すことは可能とのこと.

 ・シンポニーは4週間に1回の投与なので,X病院では自己注射のための処方はされず,病院で医師が注射することになっている.9月4日のヒュミラ投与からほぼ2週間後の9月17日に自宅でヒュミラを投与した後,ヒュミラの効果が切れるほぼ2週間後の9月30日にX病院小児科でシンポニーの初回投与を行うことに.

 ・W眼科のぶどう膜炎専門医からは,シンポニーの初回投与から2週間以内に眼科を受診するようにとの話が小児科の主治医への返信の中にあった.そのため,9月30日から2週間以内に眼科受診へ.

 ・シンポニーの投与量は普通量1回分とする.

 ・シンポニーの副作用についてはヒュミラの時と同様,肺炎などに注意することに.

▽13年9月17日

 生物学的製剤ヒュミラ皮下注射(81回目).最後の投与に.

▽13年9月30日

 W眼科で,虹彩炎(若年性関節リウマチ=JRA=の少関節型で併発することがある)と白内障について,ぶどう膜炎(虹彩炎はぶどう膜炎の一種)の専門医による定期的診察.要点は次の通り:

 ・右目の白内障が急に進んだ.水晶体が以前より厚くなっている.

 ・12年9月に再燃が発覚して1年にわたり続いている虹彩炎については,右目の炎症が比較的強く出ている(非常に強いというほどではないが).

 ・白内障の進行と虹彩炎のため,右目の虹彩癒着が起きやすい状態に.癒着していない部分があるのでまだ水が出入りできるが,その部分も癒着してしまうと水が出入りできず緑内障になってしまう.それを防ぐため,虹彩癒着の予防・緩和のための点眼薬「ミドリンP」を使っているが,癒着してしまったらレーザーで癒着を解く手術が必要になる可能性もあるとの話があった.

 ・JRAと虹彩炎を併発した患者が白内障の手術をした場合,虹彩炎の炎症が強く出ることが多いため,手術はできる限り避けたいとの話が担当医からあった.JRAの治療薬を切り替えるところでもあるため,様子を見ることに.虹彩炎,白内障ともに状態が悪いので1週間後に再び診察を受けることになった.

 ・1日当たり右目4回・左目3回だったステロイド系の点眼薬「リンデロン」(要冷蔵のリンデロンAとは異なり常温保管可)と虹彩癒着の予防・緩和のための点眼薬「ミドリンP」の点眼回数は,いずれも右目6回・左目3回に(右目の点眼回数を増やした).

▽13年9月30日(上のW眼科受診と同日)

 X病院小児科で若年性関節リウマチ(JRA,別名・若年性特発性関節炎=JIA)の定期的診察.要点は次の通り:

 ・JRA発症箇所の右膝をはじめ,関節に痛み,腫れ,熱感はなし.12年12月と13年2月の右膝の状態(弱い痛みと若干の腫れ・熱感)は再発せず.

 ・血液検査の結果は,1週間ほど前から風邪をひいていたためか,CRP(炎症マーカー)と白血球の数値が普段より若干高かったが基準値の範囲内.焦点のMMP-3(関節破壊マーカー)も15.0ng/mL未満でOK.

 ・目の状態を主治医に報告.もともとこの日から生物学的製剤(抗サイトカイン薬)「シンポニー」(一般名ゴリムマブ,公式ウェブサイトはここ.今のところ JRA の治療薬ではなく大人の関節リウマチの治療薬)を使用する予定だったが,虹彩炎に効果があるとの期待もあり,なおのこと予定通り使用を開始しようという話に.主治医による皮下注射で初使用.今後4週間ごとに病院で主治医に皮下注射して頂くことに.

 ・主治医の話では,シンポニーで虹彩炎に著しい効果があった某患者さんの場合,2回使用したところで効果がはっきり分かったとのこと.今回1回使用しただけではまだ効果が出ないかもしれない.

 ・病院で測ったところ身長は145.4cm,体重は35.2kg.

 ・薬の処方はなし.

▽13年10月4日

 W眼科を受診.右目の虹彩炎(JRAの少関節型で併発することがある)は,9月30日の前回受診時に比べ状態が改善.リンデロンを1日6回点眼したのが良かったのか,生物学的製剤シンポニーの効果なのかは不明.

 リンデロンとミドリンPの点眼回数は,右目が1日6回だったのを同4回に減らすことに.左目は炎症はほとんどないが,リンデロンとミドリンPの点眼回数は念のため1日3回に据え置き.

 右目は癒着が結構あり,また水晶体が白内障のせいで厚くなっているので,水が入っている部分が左目より薄い.今より癒着が進んで水の出入りがほとんどなくなったり,水が入っている部分がなくなって水晶体と角膜がくっついたりしてしまうと,まずい事態となり,緊急に手術が必要になる.

 手術はW眼科ではなく,総合病院であるX病院の方で入院して行うことになる見込み.小児科で入院するか眼科で入院するか,またシンポニーの投与との時間差をどう取るのがよいかなど,事前にX病院小児科・眼科との調整が必要と言われた.

 右目は予断を許さない状態のため,1週間後に再び診察へ.

▽13年10月12日

 W眼科を受診.右目の白内障がさらに進行し,もはや右目は物がよく見えない状態.また,白内障の進行に伴って右目の水晶体が厚くなり,水が入っている部分がさらに狭まった.水が入っている部分の端の所を見ると,左目は45度くらいの角度があるが,右目は10-15度くらい.

 右目は白内障のせいで目の中を外からよく見ることができないので超音波検査をしたが,網膜剥離や眼底出血はなし.

 白内障の進行が予想以上に速いので手術に備えておいた方が良いと言われ,まずは入院先となるX病院眼科で数日中に診察を受けてカルテを更新しておいた方が良いと助言された.このためW眼科からX病院眼科への紹介状を頂いた.

 1週間後くらいに再びW眼科を受診することに.

▽13年10月18日

 W眼科を受診.虹彩炎(JRAの少関節型で併発することがある)は状態がさらに若干改善し,右目のリンデロンとミドリンPの点眼回数を減らして両目とも1日3回とすることに.

 眼圧は11で,癒着は進んではいない模様.

 白内障は10月12日の前回受診時に比べ悪化はしていないが,やはり近く手術する方向でいこうとの話があった.

▽13年10月18日(上のW眼科受診と同日)

 X病院小児科を臨時受診.右目の白内障が進行して近い時期に手術を受ける見込みとなったことなどについて,小児科の若年性関節リウマチ(JRA,別名・若年性特発性関節炎=JIA)の主治医に現状報告と相談.要点は次の通り:

 ・目の手術は生物学的製剤(抗サイトカイン薬)シンポニー投与の前後1週間は避けるように(緊急の場合はこの限りではないが)との話があった.

 ・白内障の手術・入院については,免疫の関係もあるので必ず小児科と連携するよう,X病院眼科受診時に保護者から担当医にお願いすることに.

 ・なお,引き続き,JRA発症箇所の右膝を含め関節に痛み,腫れ,熱感はなし.血液検査の結果では,MMP-3(関節破壊マーカー)の数値が最近としては若干高めの20.4ng/mLだったが基準値の範囲内.CRP(炎症マーカー)や白血球の数値も基準値の範囲内.

 ・インフルエンザ予防接種の1回目を受けた.

▽13年10月18日(上のW眼科受診・X病院小児科受診と同日)

 X病院眼科を受診.W眼科からの紹介状を提出し,近くX病院眼科で白内障の手術を受けたい旨伝達.

 検査結果は眼圧が右目15・左目18,視力が右目0.01・左目1.2.白内障のため右目がほとんど見えないことが確認された.

 10日後にX病院眼科で白内障の専門医による診察をあらためて受けることに.

▽13年10月26日

 W眼科を受診.虹彩炎は悪化しておらず,右目の水が入っている部分も18日の前回受診時に比べ狭くなってはいないとのこと.

 ただ,白内障の手術までは薬の量を動かさない方が良いとのことで,リンデロンとミドリンPの点眼回数は据え置き(両目とも1日3回).

 白内障の手術に関して18日にX病院の小児科と眼科で聞いた話(生物学的製剤シンポニー投与との時間差の置き方など)をW眼科の医師に報告.W眼科の医師からは,手術は早めにした方が良いので,いつなら手術ができるか(予約がいっぱいでしばらく待つのを余儀なくされることもあるため),手術が可能だとしても病棟に入院できる空きがあるかなど,もっと具体的なことをX病院で聞いてくるよう言われた.

▽13年10月28日

 X病院小児科で若年性関節リウマチ(JRA,別名・若年性特発性関節炎=JIA)の定期的診察.要点は次の通り:

 ・JRA発症箇所の右膝を含め関節に痛み,腫れ,熱感はなし.

 ・血液検査の結果では,MMP-3(関節破壊マーカー)の数値が15.0ng/mL未満でOK.CRP(炎症マーカー)や白血球の数値も基準値の範囲内.

 ・JRAの再燃防止と,併発中の虹彩炎の治療のため,生物学的製剤(抗サイトカイン薬)シンポニーを皮下注射で投与(2回目).

 ・右目の白内障手術が差し迫っているため入院について相談.眼科での入院であっても中学生までは小児病棟に入院することになるとのこと.また,シンポニー投与と手術の間は1週間置くようあらためて指示される.

 ・病院で測ったところ身長は146.5cm,体重は36.2kg.

▽13年10月28日(上の小児科受診と同日)

 X病院眼科で白内障の専門医による診察.右目の白内障は進んでおり,虹彩癒着も進んでいるため,早め(11月中)に手術をする必要があるとのこと.

 若年性関節リウマチ(JRA)と虹彩炎の治療のため使用している生物学的製剤(抗サイトカイン薬)「シンポニー」の投与日(10月28日.次回は11月25日の予定)とは1週間以上の間隔を空けた方が良いと小児科の主治医から言われている旨こちらから医師に説明.11月11日前後に右目の白内障の手術をする方向に.

 医師からの説明によると,右目の白内障の手術では,水晶体の濁りを取るために黒目の縁から機械を入れて水晶体を砕き,代わりとなるレンズを入れる.レンズは単焦点で,焦点を合わせる目の本来の調整力はなくなって老眼のような感じになり,眼鏡が必要になるとのこと.これとは別に虹彩癒着も針で剥がす.

 まだ小学生で恐怖心もあるため,局所麻酔ではなく全身麻酔で手術をすることに.手術自体の所要時間は10分ほどだが全身麻酔のためトータルで2-3時間かかるとのこと.

 入院期間は2泊3日程度(ただし月曜日手術の場合は前週の金曜日から入院するため日数は増える).また,それまでに麻酔科を受診して血液検査と尿検査を受けておくよう言われた.

 一方,左目は角膜の混濁がかなり出ている(8月2日に見つかった角膜変性症?)ほか,癒着も部分的に生じてきているとのこと.ミドリンPを1日3回点眼しているのは適切と評価された.

 左目も右目と同じように白内障が悪くなる恐れはあるが,今のところ手術が必要な状態ではないとのことだった.

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