若年性関節リウマチ(JRA)経過メモ(13年7-8月)

下の子(11歳)の若年性関節リウマチ(JRA,別名・若年性特発性関節炎=JIA)少関節型と関連症状について,大まかな経過と投薬状況を簡単にメモ.

※これまでの経過についてのエントリ:
06年: 7月まで8-10月11-12月
07年: 1-2月3-4月5-6月7-8月9-10月11-12月
08年: 1-2月3-4月5-6月7-8月9-10月11-12月
09年: 1-2月3-4月5-6月7-8月9-10月11-12月
10年: 1-2月3-4月5-6月7-8月9-10月11-12月
11年: 1-2月3-4月5-6月7-8月9-10月11-12月
12年: 1-2月3-6月7-10月11-12月
13年: 1-2月3-4月5-6月

▽13年7月7日

 生物学的製剤ヒュミラ皮下注射(76回目).

▽13年7月8日

 W眼科で,虹彩炎(若年性関節リウマチ=JRA=の少関節型で併発することがある)と白内障について,ぶどう膜炎(虹彩炎はぶどう膜炎の一種)の専門医による定期的診察(虹彩炎の説明は以前のエントリ参照).要点は次の通り:

 ・12年9月に再燃が発覚した虹彩炎については,右目は落ち着いているが左は強く出ているとのこと.

 ・6月6日にX病院眼科で同じ医師(W眼科から定期的にX病院にも来て診察している)の診察を受けた時には,両目とも炎症は見られないとのことだった.その後,左目は再び悪化したことになる.6月14日にZ病院眼科(虹彩炎での元々の通院先)で定期的診察を受けた際も,炎症の兆候であるセル(浮遊細胞)は右目には見られないが左目には若干あると言われており,左目の状態が良かったのはごく短期間かもしれない.

 ・虹彩炎への対処としては引き続き,(1) 虹彩炎を抑える効果がある生物学的製剤(抗サイトカイン薬)ヒュミラ(JRA 治療のため小児科から処方)の投与 (2) ステロイド系の点眼薬「リンデロン」(要冷蔵のリンデロンAとは異なり常温保管可)の点眼──を行うことに.

 ・リンデロンの点眼回数は両目とも1日2回だったのを,左目は同4回に増やすことになった(右目は同2回に据え置き).虹彩癒着の予防・緩和のための点眼薬「ミドリンP」も左目は1日4回,右目は同2回点眼する.

 ・あと,右目に麦粒腫のなりかけがあり,点眼薬を処方してもらった.

▽13年7月8日(上のW眼科受診と同日)

 X病院小児科で若年性関節リウマチ(JRA,別名・若年性特発性関節炎=JIA)の定期的診察.要点は次の通り:

 ・JRA発症個所の右膝をはじめ,関節に痛み,腫れ,熱感はなし.12年12月と13年2月の右膝の状態(弱い痛みと若干の腫れ・熱感)は再発せず.

 ・血液検査では,焦点のMMP-3(関節破壊マーカー)をはじめ,CRP(炎症マーカー),白血球などの関連数値に問題はなし.12年12月までは15ng/ml未満のことが多かったMMP-3はその後,ずっと15ng/mlを上回っていたが,今回は15ng/mlちょうど(基準値の範囲内).1月の19.9ng/ml,2月の19.4ng/ml,3月の19.3ng/ml,4月の20.6ng/ml,5月の16.8ng/ml,6月の19.1ng/mlに比べ低下した.

 ・血液検査結果のうち,抗核抗体(ANA)を示す抗体価は12年11月から5カ月連続で160倍だったが,5月からは80倍となっており,今回も80倍だった.基準値は40倍以下なので,まだ高いことになる.うちの子は抗体価が高い時に虹彩炎(JRAの少関節型で発症することがある)が出るケースが多いので要注意.

 ・虹彩炎の状態(上のW眼科受診の項を参照)を主治医に報告.JRAの治療薬である生物学的製剤(抗サイトカイン薬)「ヒュミラ」(一般名アダリムマブ)は虹彩炎にも効果があるとのことなので,関節が良くなってからも目のために仕方なくヒュミラを使い続けているが,それでも虹彩炎が解消されない(しかもごく初期の段階とはいえ白内障まで出てきた)のが悩みであることについて相談した.

 ・すると主治医から,今のところ JRA の治療薬ではなく大人の関節リウマチの治療薬だが,ヒュミラのような抗 TNF 抗体薬である「シンポニー」(一般名ゴリムマブ,公式ウェブサイトはここ)や「シムジア」(一般名セルトリズマブ・ペゴル,公式ウェブサイトはここ)といった新しい生物学的製剤があり,虹彩炎に効果があった例もあるとの話があった.そうした別の薬に切り替えてみてもよいのではないかとのこと.眼科の担当医に相談してみることになった.

 ・病院で測ったところ身長は142.4cm,体重は33.6kg.

 ・薬の処方は,生物学的製剤(抗サイトカイン薬)「ヒュミラ」(一般名アダリムマブ)皮下注射用40mgシリンジ0.8ml(2週間に1回,自宅で皮下注射).

 ※生物学的製剤(抗サイトカイン薬)については以前のエントリの免疫抑制剤と抗サイトカイン薬の情報メモエタネルセプト問題報道メモ若年性関節リウマチ(JRA)関節型用の生物製剤メモなどを参照.

▽13年7月22日

 生物学的製剤ヒュミラ皮下注射(77回目).

▽13年8月2日

 Z病院眼科(虹彩炎での元々の通院先)で,虹彩炎の定期的診察.虹彩炎のほか,角膜に濁りがあり,角膜変性症と言われる.

▽13年8月6日

 生物学的製剤ヒュミラ皮下注射(78回目).

▽13年8月7日

 W眼科で,虹彩炎(若年性関節リウマチ=JRA=の少関節型で併発することがある)と白内障について,ぶどう膜炎(虹彩炎はぶどう膜炎の一種)の専門医による定期的診察.要点は次の通り:

 ・前回強く出ていた左目の炎症は弱まり,「ごくわずか」になった.一方,落ち着いていた右目の炎症はぶり返し,はっきり炎症がある状態に.

 ・右目の炎症再燃と左目の炎症の弱まりを受け,リンデロンの点眼回数は,1日当たり右目2回・左目4回だったのを,右目4回・左目3回とすることになった.ミドリンPの点眼回数もこれに合わせる.

 ・7月8日に小児科の JRA 主治医から聞いた話を持ち出しつつ,なかなか虹彩炎がおさまらないのでヒュミラから他の生物学的製剤に切り替えたいと相談したところ,ぶどう膜炎の専門医が見る限りヒュミラは効いている印象だとのこと.

 ・専門医は「緑内障も起きず,矯正視力も落ちていない.1日3-4回の点眼で済んでいるなら虹彩炎はヒュミラによってよく抑えられていると言える.緑内障になったり1日5-6回の点眼が必要になったりしたら積極的にヒュミラから別の薬への切り替えを考えてもいいかもしれないが,現状はそれほどではない」(要旨)と説明した.JRA に伴う虹彩炎は10代の間は繰り返し再燃するケースが多く,完全には抑え込めないものだとの説明も再びあった.

 ・また,比較的新しい生物学的製剤への切り替えについても,十分な実績のない薬を試すのは実験のようなものなので積極的には勧めないとの指摘があり,「大人のベーチェット病で併発するぶどう膜炎にはよくレミケードが使われ,効果もある.もしどうしても変えたいなら,実績のあるレミケードならまだいい」との話だった.

 ・8月2日に見つかった角膜変性症については,▽成長期の炎症に伴って起きることは多い▽激しく出ると視力に影響するが,そうでなければそれほどの心配はいらない▽角膜変性症は自然にはなくならない(比較的表面のものなので,レーシック手術のような方式で取ることはできる)▽悪化させないためには炎症の管理が必要――との話があった.

▽13年8月7日(上の眼科受診と同日)

 X病院小児科で若年性関節リウマチ(JRA,別名・若年性特発性関節炎=JIA)の定期的診察.要点は次の通り:

 ・JRA発症個所の右膝を含め,関節に痛み,腫れ,熱感はなし.

 ・血液検査では,CRP(炎症マーカー),白血球などの関連数値に問題はなし.焦点のMMP-3(関節破壊マーカー)の数値は今回は15ng/mlを上回り,18.6ng/mlだった(基準値の範囲内ではある).

 ・関節はしばらく落ち着いているので,やはり焦点は虹彩炎.上の項にある眼科の専門医の話を主治医に伝えた.

 ・主治医の話では,生物学的製剤シンポニーで虹彩炎に大きな効果があった事例は確かにあり,現在データを収集中.また,仮にヒュミラからシンポニーに薬を切り替えた場合でも,効果がなければ再びヒュミラに戻すことは可能とのこと.

 ・主治医と相談した結果,あらためて眼科のぶどう膜炎専門医に対し,シンポニーに切り替えてみたい旨打診してみることに.

 ・病院で測ったところ身長は143.0cm,体重は34.5kg.

▽13年8月20日

 生物学的製剤ヒュミラ皮下注射(79回目).

▽13年8月22日

 Z病院小児科で,若年性関節リウマチ(JRA,別名・若年性特発性関節炎=JIA)の元々の主治医による定期的診察.経過を報告.

▽13年8月26日

 W眼科で,虹彩炎(若年性関節リウマチ=JRA=の少関節型で併発することがある)と白内障について,ぶどう膜炎(虹彩炎はぶどう膜炎の一種)の専門医による定期的診察.要点は次の通り:

 ・両目とも炎症はおさまっている.念のためリンデロンとミドリンPの点眼回数は1日当たり右目4回・左目3回に据え置き.

 ・生物学的製剤(抗サイトカイン薬)ヒュミラでは虹彩炎が完全には解消されないため,やはり比較的新しい生物学的製剤シンポニーを試してみたいと相談.▽小児科の JRA 主治医によればシンポニーで良くなった事例はあり,データも集まり次第提供できる▽そのため主治医は試してみることに前向きである▽ヒュミラに戻すことも可能とのことだ――と話した.

 ・ぶどう膜炎の専門医からは,▽やはり実績のある薬を使うのが一番であり,その観点から新薬の使用は積極的には勧めない▽それでも,小児科が一定の見通しや根拠をもって新薬を使おうというのであれば協力する▽ただし,その場合はどういう薬に切り替えるのか(薬の説明),いつから切り替えてどの程度の量をどの程度の頻度で投与するかの計画をまず書面で頂きたい――との話があった.薬の切り替えに向けて半歩前進といったところか.

▽13年8月28日

 Z病院整形外科で,若年性関節リウマチ(JRA,別名・若年性特発性関節炎=JIA)発症箇所である右膝などの状態の定期的診察.右膝の状態に問題はなく,水がたまっている様子も全くない.

 レントゲン撮影の結果,右脚の長さは73cm、左脚の長さは72cmで,依然右脚の方が若干長い.

 脊柱側湾症の進行はなかった.

 眼科のぶどう膜炎専門医から話が出ている生物学的製剤(抗サイトカイン薬)レミケードを使用する場合,どのくらい投与に時間がかかるのか質問.1回当たり2時間以上かかるとのことだった.

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